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納豆の健康効果
納豆の発酵健康成分

昔から健康のために活用されてきた納豆

縄文時代の終わり頃にはすでに納豆のようなものが食べられていたという説もあるくらい、古くからある納豆。聖徳太子の手によって偶然できた納豆のつくり方を村人に広めたなどの伝説もいくつかあります。長きに渡って日本人の食に欠かせなかった納豆が、近年一躍脚光を浴びるようになったのは、1980年代、血栓を溶かす驚異的パワーを持つ酵素の発見によるところが大きいでしょう。これが「ナットウキナーゼ」と命名された酵素です。ただ、ナットウキナーゼ発見よりもずっと前から現代に至るまで、納豆は健康に良い食品として活用され続けています。

江戸時代の記録に残る「整腸作用」「解毒作用」

江戸初期に書かれた『本朝食艦』に、納豆が「腹中をととのえて食を進め、毒を解す」という記述があります。すでにその当時から、納豆に整腸作用や解毒作用があることが知られていたのです。

納豆の健康価値は参勤交代の時代から認められていた

戦前に論文発表「納豆の抗菌作用

海軍の研究で、納豆の抗菌作用を確認したという論文が、戦前に発表されていました(海軍医誌、北大医誌 1936~1938)。「5か月間に渡って便とともにパラチフス菌を排出していた保菌者に納豆療法を行ったところ、短時間で便中に菌が見られなくなった」というものです。納豆療法以前に行ったさまざまな治療には効果がなかったことも書かれています。

GHQも認めた納豆の栄養価

1945年、終戦後の日本は食料が欠乏し、栄養が足りない状態でした。その状態に心を痛めたGHQ(連合軍司令部)の栄養部長が目を付けたのが納豆です。情報収集により、「日本人に必要な栄養を、経済的に、効率良く摂るには納豆が一番」という結論を導き出し、500トンもの原料を米国に手配したのです。

納豆をよく食べる子は0-157に感染しにくい

1998年にO-157の集団感染症が発生した岐阜市の小学校で、O-157感染と生活習慣に関するアンケートが行われました。その結果は、納豆をよく食べる(週3回以上)生徒の保菌・発病率(菌陽性有症者率)は、まったく食べない生徒の約1/3となっています。

大豆そのものが持つ健康成分

納豆は健康価値の高い食品ですが、その原料である大豆そのものにも、健康に効果のある成分がたっぷり含まれています。畑の肉と呼ばれるほどに豊富な「植物性たんぱく質」を筆頭に、「ビタミン」「食物繊維」「カルシウム」、ポリフェノールの一種である「大豆サポニン」や「大豆イソフラボン」他、一粒一粒に栄養がギュッと詰まっているのです。さらに、コレステロールの吸収を抑えることで近年話題になっている「植物ステロール」も含まれています。

納豆をつくりだす納豆菌が
免疫力アップに効果

納豆をつくりだす納豆菌は、わらや枯れ草、土の中など、日本中どこにでもいる菌です。納豆の健康価値は広く知られていますが、これは大豆の栄養をそのまま受け継いでいるというだけではありません。大豆と納豆菌が一緒になって発酵する過程で、ポリアミンやビタミンなど両者の持つ健康成分を増やしたり、「ナットウキナーゼ」「ビタミンK₂」といった新たな健康成分を生み出したりしているのです。また、納豆菌そのものにも免疫力を高める力があることがわかっています。

納豆菌がつくりだす健康成分

栄養いっぱいの大豆と、それ自体が健康成分である納豆菌。この2つが力を合わせることで、ビタミンK₂、ナットウキナーゼという成分が生み出されます。また、大豆や納豆菌に含まれていたポリアミンも増加。これらは、近年続々と健康効果が発表されている注目成分なのです。

発酵で産生される健康成分

ビタミンK2

股関節骨折予防

血中ビタミンK₂濃度と納豆摂取量には相関がみられ、股関節骨折率とは逆相関があることが調査によって明らかになりました。関東以北と比べて納豆消費量の少ない関西で、骨折率が高いこともわかっています。

前立腺がんのリスク低下

ドイツで1万1000人強の男性を平均8.6年間追跡した研究で、特にK₂摂取量が最も多い群は最も低い群に比べて進行性前立腺がんにかかるリスクが63%も低いという結果が発表されました。また、日本の研究では、男性更年期症状の緩和作用も示唆されています。

出典:「納豆に『オートファジー』促す成分 骨折予防にも」(日経BPヒット総合研究所が作成。日経電子版2016年10月13日)

ナットウキナーゼ

血栓症抑制効果

ナットウキナーゼは血栓の主成分に直接働きかけて溶解する作用があることがわかっています。

健康な人たちを2グループに分けて、納豆あるいは煮た大豆を食べてもらった後で血液を調べた結果、煮た大豆グループの血液中には血栓溶解酵素がほとんどありませんでしたが、納豆グループでは8時間に渡って血栓を溶かす働きが持続しました。

発酵で増加する健康成分

ポリアミン

オートファジー

ポリアミンは、2016年に東京工業大学の大隅教授がノーベル賞受賞の「オートファジー」とも関係しています。オートファジーは、細胞内の不要なタンパク質を分解し、また新しいタンパク質を作る仕組み・機能のこと。身体の細胞が自己分解をして、ガンや感染などから私たちを守る働きです。米国立老化研究所(NIA)は、このオートファジーを促す方法の1つとして、スペルミジンという種類のポリアミンの摂取を挙げています。

アンチエイジング

細胞分裂や増殖に欠かせないアンチエイジングの成分で、私たちの体内でも作られているポリアミン。加齢によってポリアミン産生作用は落ちてしまいますが、食品から摂ることで、補うことができることがわかっています。

日本生まれのスーパーフード「発酵食品」

近年、話題のスーパーフード。一般的な食品より栄養価が高かったり、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれていて、健康価値のある食品のことを指しています。これには、まさに納豆を始めとした日本の発酵食品が当てはまります。

発酵食品とは、微生物の力を借りて、もとの食材にはない風味を生み出し、私たちの身体に有用な成分が高まった食品です。世界的にはヨーグルトやチーズが有名ですが、日本には毎日の食卓に当たり前のように並ぶ発酵食品がいくつもあります。和食文化のグローバルな広がりには、こういった発酵食品の貢献も大きいのではないでしょうか。

醤油


醤油

小麦・大豆を原料とする麹に食塩水を加えて、発酵させたのが醤油。植物性乳酸菌を含有しています。日本独特の調味料です。


酢

米やとうもろこしからつくる穀物酢、りんご果汁を原料にしたりんご酢がお馴染み。疲労回復や、食欲アップの効果が期待できます。

納豆


納豆

大豆と納豆菌でつくられる納豆。栄養と健康成分が豊富です。免疫力を高める効果も注目されています。

漬け物


漬け物

日本固有の発酵漬け物が糠漬け。そこには乳酸菌や酵母がいっぱい。糖尿病や動脈硬化予防の効果も明らかにされています。

みそ


みそ

大豆、米、麦、食塩、そして麹菌からつくられるみそ。必須アミノ酸、ビタミン、ミネラルも豊富です。

日本酒


日本酒

米と麹菌から生まれるのが日本酒。アミノ酸のアルギニンが多く、免疫機能の向上、肌の調子を整えるのにも良いと言われています。

かつお節


かつお節

かつおと麹菌が一緒になってできるかつお節。高たんぱくで低脂質、ビタミンB群やミネラルもたっぷりです。最近フランスにかつお節工場がつくられ、話題になりました。

くさや


くさや

伊豆・新島の名物くさや。青魚の発酵食品です。かつて島民は薬代わりに利用していましたが、研究によって、天然の抗生物質が含まれていることが明らかになっています。