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New column もっと知りたい!免疫と納豆菌の関係 S-903 納豆菌コラム

重症化に気をつけたいノロウイルス感染症

そ感染力が強いノロウイルス

冬の感染症として猛威をふるうことで知られるノロウイルス感染症。例年10月頃から増え始め、12月~1月に流行のピークをむかえ、感染性胃腸炎の原因になるなど感染力がとても強い病原体です。

乳幼児から高齢者に至るまでの幅広い年齢層に、激しいおう吐・下痢などの胃腸炎症状を起こすウイルスで、特に、小さな子どもや高齢の方の場合は、脱水症状などになりやすかったり、おう吐などによる窒息も注意が必要です。学校や病院、老人保健施設など施設内集団発生事例の原因としても、社会に与える影響など極めて大きいものとなっています。

2次感染にも注意が必要

感染力が非常に強いノロウイルスだからこそ、被害を拡大させないためにも、2次感染の注意が必要です。

調理や配膳をする人の手指や調理器具が汚染されていることが原因で、食べ物がノロウイルスに汚染されてしまう、また、下痢や吐物の付着した手指が触れた場所がノロウイルスに汚染され、最終的に手指などを介してウイルスが口に運ばれ感染するなど、ヒトからヒトへの2次感染の場合もあります。

手洗いが大事

こういった2次感染も含め、ノロウイルス感染症予防の基本的な対策となるのは、やはり「手洗い」です。アルコール消毒剤だけではノロウイルスは完全に死滅しないこともわかっていますから、「手洗い」をきちんと行いつつ、発症抑制効果のある免疫力を高めるための栄養を十分に摂る食生活を心がけることも大切です。

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この免疫力アップに効果が期待できるもののひとつに「納豆」があります。昔から食され、私たちの身近にあるものですが、その納豆の個性を決めるといわれる納豆菌のうち、「S-903 納豆菌」は、ノロウイルスに対する予防効果が期待されています。

ノロウイルス感染マウスの糞便中に排泄されるウイルス量の経時的変化
ノロウイルスに感染させる3日前から7日後まで10日間マウスに試験食(「S-903 納豆菌」でつくった納豆、「S-903 納豆菌」)を経口投与し、ウイルス接種日から14日間にわたって、糞便中のノロウイルス量を測定。試験食非摂取のマウスのノロウイルス量と比較
※中部大学 林京子先生・タカノフーズ(株)共同研究調べ

実験結果を見てみますと、「S-903 納豆菌」でつくられた納豆および「S-903 納豆菌」を摂取したマウスは、水だけ摂った(納豆・納豆菌非摂取の)マウスに比べて、ノロウイルスの量が大きく抑えられていることがはっきりとわかり、特にノロウイルス接種後の1日目・2日目のウイルス量は1/3程度にまで抑えられています。この実験によって、「S-903 納豆菌」にはノロウイルス発症の予防と、感染してしまった後の症状を軽減する効果が期待できることが確認されました。

できるだけ栄養バランスのとれた食生活を心がけることで、免疫力を高めて、感染力が非常に強く重症化しやすいノロウイルスを予防していきましょう。


S-903 納豆菌

903の日について

幾多ある納豆菌の中から、納豆製造に向いていて、効率的に免疫活性に働きかける納豆菌のひとつが見つけ出されました。それが「S-903 納豆菌」です。 「S-903 納豆菌」にちなんで9月3日を納豆菌の啓発の日と位置づけています。


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監修

薬学博士 林京子 先生
林 京子先生
中部大学大学院 工学研究科 客員教授、薬学博士

1976年3月京都大学薬学研究科博士課程修了。富山大学大学院医学薬学研究部の講師を経て2017年4月から現職。主な研究内容は、植物由来の天然成分や合成化学物質のウイルス増殖阻害作用の解明による抗ウイルス薬の開発、生体の感染防御機能に着目したウイルス感染症対策の検討、など。

※肩書は取材当時のものです